リーダーシップ

夏休み中、保育時間が長時間になる時は、みんなで映画を観る事があります。

その時、どんな映画を観るのかは保育者が提案することもあるのですが、お子さん達の様子を見て、みんなで話し合って決めてもらう事もあります。

先日、子ども達で決めるように言った時のこと、これがびっくりの連続でした。

「6人で話し合ってるとなかなか決まらないから3人3人に別れて話し合おう」(えー頭いいなぁ!)

「じゃあ男の子と女の子に別れようか?」(ふむふむナルホドね)

「そうすると男の子向け、女の子向けって意見が2つになって最後どっちにするか多分決めにくくなるから男子と女子と混ざった3人3人になった方がいいよ」(おぉっ凄い!)

「まず怖いのか、冒険ものか、ヒーローものか、動物ものか、決めた方がいいんじゃない?」(うん 確かにそうだよね!)

こうして2グループに分かれて話し合った結論は…

「動物もの!」

「じゃあ動物ものでおススメなんかある? それどういう映画?」

と、さらに話し合いを進め、結局この日は二年生さんが自分の押しの映画の内容を頑張ってプレゼンして賛同を集め、映画は『ベンジー』に決まりました。

自分の考えを通す事より、グループみんなが満足できる結果を出そうと頑張っている子ども達に私たちは驚くばかりした。大人でもなかなかこうはいきません。素晴らしいリーダーシップですよね。

こんな話し合い場面だけでなく、普段の子ども達の言動の中にリーダーの資質を感じる事はよくあります。この前は

「じゃあみんな、これから何をしたいか決めよう! まず、もうみんなで遊ぶのをやめたい人は?」

と言った子がいて、おかげでワイワイ遊ぶのに疲れた子が

「じゃあボクは本を読む」

とホッとしたように言えていました。こんな配慮ができるのも立派なリーダーの資質だと思います。

ウノのやり方を知らない年下の子に丁寧にルールを教えてあげている子の後ろ姿を見ながらその説明力と辛抱強さに感心しつつ、こんなリーダーだったら部下は安心して働けるだろうなと想像したり。

ピアノのレッスン中、手を貸そうとしてもその手を跳ねのけて(笑)断固!自分で弾き通そうとするところに頼もしさを感じたりとか。

さてさて話は戻って、映画の話し合い中

「〇〇ちゃんの意見はみんなが聞くのに自分の意見は全員にスルーされた・・・」

嘆いていた子がいたのです。その子もおススメ映画があったのですが、内容をみんなに説明する時に照れてしまって、

「なんか面白い・・・」

としか言わなかったのですよね。他の子のプレゼンにくらべてやはり熱量が少なかった。

ところが翌日また子ども同士で映画を決めていた時、今度はその子が

「ゲームのキャラクターだけど、アニメじゃなくて実写で、ふわふわしてて走るのが速くて可愛い。それを見てたらどうやったら早く走れるのか分かるようになる。誰も死なないから怖くない」

と、前日とくらべものにならないくらい頑張って映画の説明をしていたのです。そしてその日の映画は、その子のおススメの『ソニック』に決まったのでした。

うわーこれも素晴らしい!

これこそ自ら学ぶ力ですよね。

夏休みの成城楓塾は太陽に向かってぐんぐん伸びるひまわり畑みたいです。

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