2018 成城楓塾夏休みDiary

7月〇日

2年生からコツコツと多読を続けてきた5年生さん、今日で1000冊を読了したので表彰状を進呈しました。本当に努力家さんで勉強も自由研究も頑張っているし、英語スピーチコンテストには複数回優勝、入賞。この前の英検では準2級に合格。すごいね!これからもHappy Reading!!

7月〇日

35度を超えるような猛烈な暑さの日が続いているので、おやつはかき氷。氷をゴリゴリやり出すと必ず子どもがワラワラと寄ってきて「やらせて!」。どの子も一回はかき氷機のハンドルを回してみたいらしい。何種類かの手作りの氷みつを用意していますがイチゴ味が圧倒的に人気です。

8月〇日

長女と一緒に日本多読学会に参加。そこで伺ったSEGの古川先生の発表はEvidence-Basedでとても信頼のできるものでした。中1からORT1レベルから多読を始めた生徒が高3でYale大学に合格するまでの記録が開示されていましたがやはり「最初は易しいものからゆっくり(具体的にはYL0.1~0.6で300冊、5万語程度)」が肝要のようです。また同じ本を、読み方を変えながら(イラストに集中、シャドウイング、CDに合わせて音読 筆写等)複数回読む事が、より理解度を高めるやり方として推奨されていました。3回読んだら語数も3倍にするとのこと。YL0.1~0.6の教材は何十秒かで読み終わるので沢山必要なのですが、市販されている数がとにかく少なく、これが「易しくゆっくり」進めるにあたって悩みの種でした。早速取り入れていきたいと思います。

8月〇日

この日は4年生女子だけだったので映画『キューティブロンド』を観ました。ブロンドの可愛い女の子エルがボーイフレンドを追いかけ一念発起してハーバードのロースクールに入学し、頓珍漢なことをやらかしながらも活躍するサクセスストーリーです。

久しぶりに観たのですが、私は序盤、彼女が自分の卒業論文(水玉模様の歴史)が高く評価された事、成績はオールAだった事に加え、校外活動にも熱心で女子寮で信頼されているリーダーだったこと等を大学に提出したビデオの中で(ビキニ姿で)猛アピールして合格を掴んだ事が心に残りました。

欧米の大学入試では学力テストの他に、こんな自己アピールが必須で、学校の成績に加え学外の活動も非常に重要視される、そしてこうした課外活動の記録はポートフォリオとよばれ、シッカリ者のお母さんは子どもが小学生の時から他の子と差がつくポートフォリオ対策に余念がない・・・という事を最近知ったからです。

『キューティブロンド』でのビデオアピールはもちろんギャグなわけですが(コッポラが制作したことになっていた!笑)これが本場(?)のポートフォリオかと強く印象に残った次第です。

次女が私立医大を受験した時、ある学校の二次面接試験で「今まで打ち込んできた事を示すものを持参せよ」という指示があったのですが、これも今から思うとポートフォリオを入試に取り入れていたのですよね。

ところが我が娘の場合、これと言ったものが何もなく本当に困り果てました。ちゃんと充実した学校生活を送っていたと思うのですが、スポーツが苦手で特別にリーダーシップがあるタイプでもなかった為、こういうところに書いたり提出できる形になっているものが一つもなかったのです。結局、中学から続けていた多読ノートと(無駄に上手な)イラスト描きで作成した世界史ノートと自分が執筆した学校新聞を持参したのですが、これでよく合格が頂けたものだと今考えても冷や汗が出てきます。

医学部に限らず他学部でも正式に大学入試に ポートフォリオ(Japan-e-ポートフォリオ)を取り入れる大学が徐々に増えているそうですね。

自然体で過ごしながらこういうところに書き込める内容が蓄積されるのが一番ですが・・・皆様、わたくしの轍は踏まないようくれぐれもお気をつけ遊ばせ!

8月〇日

午前中の塾の夏期講習を終えてお昼ごろに到着する子が複数いるのでランチタイムの話題は塾での出来事が多くなります。この日、5年生さんが国語の授業で「なぜ学ぶのか」という課題文について勉強してきたそうで、他の子にその内容について話していました。大量の課題をこなす必要がある中学受験、子ども自身がなぜ学ぶのかという子どもなりの哲学を持って臨むか否かでその意味は全く違ってくるでしょう。さすがに実績のある塾は深く考えているものだと思いました。

8月〇日

ネットでミネルバ大学の学生日原翔君のエッセイを読んでこの大学に興味を持ち、『世界のエリートが今一番入りたい大学ミネルバ Minerva Schools at KGI』を読了しました。ミネルバ大学は2014年に開校したばかりのキャンパスがない(!)オンライン大学。なのに、既に超難関エリート大学となった、知れば知るほど驚きの連続の学校です。

人が最も効率よく学習するには①脳を通常より負荷をかけた状態で稼働させる ②繰り返し練習ができる場で学ぶ ③能動的に授業に参加できる状態 が必要とし、この学習環境を実現するアクティブ・ラーニング・フォーラムなるオンラインシステムを独自に開発。これを使って授業は事前に提出した課題について19人以下でディベート形式。定期テストはなく授業中に誰がどのような意見をどれくらい積極的に発言したか等を情報技術を活用して評価。学生たちは4年の間共同生活をしながら世界七都市を順に居住し、それぞれの場所で企業インターンや地域のプロジェクトに携わりながら多様性、異文化を実体験する。(!!)

うーん凄い。

元々才能がある上にさらにこうして鍛え上げられたミネルバ大学の学生さん。直接会った人やミネルバの学生の同級生たちへの印象はと言えば、学ぶことに積極的で同時に親切で謙虚でもあるそうで、こういう人は地球のどこに行っても仕事ができそうですね。

ミネルバ大学の入試はSAT、TOEFL、事前課題エッセイは不要、検定料も無料。高校時代の成績を重視、それから創造性、計算、読解、推論、文章表現、口語表現の試験を通して潜在的な思考、コミュニケーション能力の評価をおこなうセクションがあり、そしてやはり高校時代の課外活動が重要視されているそうです。これまでに3名の日本人が合格しており、そのうち一人はインターナショナルスクールでもなんでもない一般の公立高校の生徒さんだったそう。

最近のニュースでは日本の大学の不正問題がずっと取り沙汰されていますが、世の中にはこんな新しい、しかもとても爽やかな風が吹いているのですね。いつもこうした風も感じながら生徒さんと向き合っていきたいと思います。

夏休みも残り少なくなってきました。皆様、最後の一日まで充実した毎日をお過ごし下さいね!!

※このブログの文章、写真の無断転載を禁じます。