こどもの「なぜ?」には丁寧に

ある朝、生徒さんのお母様からメールがきました。

「体の器官はみんな一つか二つで、どうして三つはないのか楓塾の先生に聞くって言ってます」

その質問をしてきた生徒さんは、とても知的好奇心が旺盛。また人の話をじっくり聞いてじっくり考えることができる素晴らしいお子さんです。

なんとかその生徒さんが納得できるようなことを答えてあげたい。

でもどうしよう、文系の私には全然わからない・・・考えたこともない・・・。

そこで海外出張中の知り合いの科学者に相談してみました。

するとすごく面白がってくれて(科学者ってこういう質問が大好きですよね)こんな返信がありました。

「1973年にノーベル医学生理学賞を受賞したニコ・ティンハーゲンが、動物の行動に対するなぜ?には4つの答え方がある言って提唱した「ティンハーゲンの4つのなぜ」は有名だよ。

①至近要因(どのようなメカニズムで)②究極要因(どのような機能があるか)③発達要因(発達の中でどのように学習したか)④系統進化要因(どのように進化したか)

これは行動に対する話なので、その子が質問している形態については③はこたえにくいかもしれないけど・・・」

感心しました。

答えを教えてあげるばかりではなく考えの進め方を教えてあげることも大事なのですよね。

生徒さんは入室するやいなや「先生、心臓はひとつ、腎臓はふたつでしょ。でもなんで三つある内臓はないの?」と聞いてきましたので

①それが出来上がるじゅんばんを調べてみる

②それの使われ方を観察してみる

③おぼえてしぜんに身に付いたことではないか推理してみる

④ご先祖さまがどうだったのか考えてみる

と書いた紙をわたして「きっと理由があるはずだよね。生き物について知りたいことがある時には、こういう考えの進め方で考えるといいって、エライ科学の先生が言ってるんだって。○○君も自分で考えて謎をといてみたら」と伝えました。

もちろん小学生には難しすぎるのは百も承知なのですが・・・。

成城楓塾はお子さんたちが自ら学ぶ力をつけてくれることを願っています。

それには生活の中でお子さんから繰り出される「なぜ」に丁寧に答えることが大切・・・!

そう思って毎日お子様と接しています。

西庵 梅の実

 

ちなみに医学部に通う娘は、「スペアはひとつで足りるからだと思う、腎臓や卵巣、精巣が二つあるのは多分片方が機能しなくなった時の予備だけど、そういうことは稀だし、二つ以上ものもしもの時のための臓器を維持するエネルギーが大きすぎるのでは」と言っていました。

実際どうしてなんでしょうね?