ショパンの伝記マンガに読みふけっていた生徒さん。
「先生、ショパンってすごい天才だったんだよね」
「そうよ」
「じゃあさ ショパンとモーツァルトとベートーベンとではだれが一番上手だったの?」
「みんなそれぞれ全然ちがう音楽を作ってたから比べられないのよ。みんな天才なの」
「ふーん。ねぇ ショパンてなんでピアノの詩人ていうの?」
「ショパンの音楽がね、まるで詩の言葉を語ってるみたいに聴こえるからよ」
そこでピアノの蓋をあけて、ショパンのノクターンの冒頭を弾いてあげました。
「面白いね」
ついでにモーツァルトのトルコマーチとベートーベンのソナタの冒頭部分も弾いてみました。
「へぇ 全然ちがうね」
「ショパンとかモーツァルトとかベートーベンのCDいっぱいあるから聴く?」
「ううん 大丈夫」
ということで生徒さんはまた読書にもどっていきました。
もっと説明したかったけど ぐっとガマン。
こんなふうにあっさり種を蒔いておいたことが後々「こんなところで」という場所でしっかり芽生えてたりすることを、自分の子育ての時に体験しましたから。
お預かりした生徒さんには良い種をたくさん蒔いてあげられるよう努力したいと思っています。